消費電力と省エネ?
業務ごとにエアコンの消費電力は大きく異なります。
ここでは、8つの業種ごと消費電力内訳をご紹介いたします。
日々の電気代を抑えるために、エアコンの省エネを検討されている方も多いと思います。
15年ほど前のエアコンと今のエアコンでは省エネタイプでなくても約30%減の電気量で稼働すると言われています。古いエアコンを使い続けるよりも、新規にエアコンを取り付けた方が経済的なケースも多々あります。
さて、ここでは省エネタイプのエアコンを選ぶべきか否かを検討する上での参考資料として、8つの業種ごと消費電力内訳をご紹介いたします。
電気代の内訳で空調の割合が高いほどエアコン省エネ効果が高いということになります。
オフィスビルのエアコン消費電力
空調、照明、OA機器で
約88%
1日の電気の使われ方(夏期のピーク日)
平均的なオフィスビルにおいては、昼間 (10時~17時)に高い電力消費が続きます。夜間の消費電力は昼間に比べ30%程度になります。
電力消費の内訳(ピーク時:14時前後)
電力消費のうち、空調用電力が約48%、照明およびOA機器(パソコン、コピー機等)が約40%を占めます。
これらを合わせると電力消費の約88%を占めるため、これらの分野における節電対策は特に効果的です。
卸・小売店のエアコン消費電力
空調、照明、冷凍冷蔵で
約83%
1日の電気の使われ方(夏期のピーク日)
平均的な卸・小売店においては、昼間(9時~17時)に高い電力消費が続きます。
夜間の消費電力は昼間に比べ20%程度になります。
電力消費の内訳(ピーク時:14時前後)
電力消費のうち、空調が約48%、照明が約26%、冷凍冷蔵(冷蔵庫、ショーケース等)が約9%を占めます。
これらを合わせると電力消費の約83%を占めるため、これらの分野における節電対策は特に効果的です。
食品スーパーのエアコン消費電力
空調、照明、冷凍冷蔵で
約84%
1日の電気の使われ方(夏期のピーク日)
平均的な食品スーパーにおいては、昼間(10時~17時)に高い電力消費が続きます。
夜間の消費電力は昼間に比べ30%程度になります。
電力消費の内訳(ピーク時:14時前後)
電力消費のうち、冷凍冷蔵( 冷蔵庫、ショーケース、ショーケース用照明等)が約35%、空調および照明(一般照明)が約49%を占めます。
これらを合わせると電力消費の約84%を占めるため、これらの分野における節電対策は特に効果的です。
医療機関のエアコン消費電力
空調、照明で
約75%
1日の電気の使われ方(夏期のピーク日)
平均的な医療機関(病院・診療所等)においては、昼間(9時~16時)に高い電力消費が続きます。
夜間の消費電力は昼間に比べ40%程度になります。
電力消費の内訳(ピーク時:14時前後)
電力消費のうち、空調が約38%、照明が
約37%を占めます。
これらを合わせると電力消費の約75%を占めるため、これらの分野における節電対策は特に効果的です。
ホテル・旅館のエアコン消費電力
空調、照明で
約57%
1日の電気の使われ方(夏期のピーク日)
平均的なホテル・旅館においては、23時以降の深夜~朝6時頃の夜間以外は高い電力消費が続きます。
夜間の消費電力は昼間に比べ70%程度になり、昼夜間格差は小さいです。
電力消費の内訳(ピーク時:14時前後)
電力消費のうち、空調が約26%、照明が約31%を占めます。(左グラフの照明比率の構成としては、概ね、客室:客室以外=1:7となっています。)
これらを合わせると電力消費の約57%を占めるため、これらの分野における節電対策は特に効果的です。
飲食店のエアコン消費電力
空調、照明、厨房機器等で
約97%
1日の電気の使われ方(夏期のピーク日)
24時間型・昼型・夜型など営業種別により営業時間帯が異なり、外気温や入客状況に応じて電力消費の状況が大きく異なります。
営業時間外の消費電力は営業時間の最大消費電力に比べ、10%程度になります。
電力消費の内訳(ピーク時:14時前後)
電力消費のうち、空調が約46%、照明が約29%、厨房機器等(給湯・冷蔵庫・ショーケース等)で約22%を占めます。
これらを合わせると電力消費の約97%を占めるため、これらの分野における節電対策は特に効果的です。
学校のエアコン消費電力
照明で
約69%
1日の電気の使われ方(夏期のピーク日)
平均的な学校においては、昼間(9時~17時)に高い電力消費が続きます。
夜間の消費電力は昼間に比べ10%程度になります。
電力消費の内訳(ピーク時:14時前後)
夏期の就学日におけるピーク時は、照明が約69%を占めています。
小口需要家(小、中、高校)においては、教室部分に空調を設置していない場合が多いため、照明の比率が高くなっています。ただし、空調を設置している学校については空調の比率が高くなることに留意が必要です。
製造業のエアコン消費電力
1日の電気の使われ方(夏期のピーク日)
■昼間操業の需要家(一般的な稼働時間)
主な業種:金属加工、自動車部品製造、電気・一般機械製造(組立)など
負荷設備:生産機械、電気炉、空調・照明など
■昼夜連続操業の需要家(高い稼働時間)
主な業種:食品加工、電気・半導体製造など
負荷設備:生産機械、空調・照明、クリーンルーム、
冷凍・冷蔵設備など
電力消費の内訳(ピーク時:14時前後)
電力消費のうち、生産設備が占める割合が高いため、生産工程の節電対策は特に効果的です。業種(生産品目)や必要な生産環境(空調)に応じて電力消費形態が異なります。
電気代の内訳見ると空調の割合は非常に高いですね。
電気代の空調割合が高い業種ほど、エアコンの仕様を見直すことにより電気代を大幅に削減できる可能性があります。